未来における再生可能エネルギーの賢い使い方を考える

本藤祐樹教授 環境情報研究院

SDGsを達成するために再生可能エネルギーの利用が重要であるということは多くの人が同意するでしょう。しかし、「どの技術をどのように利用するのが最も効果的か」という問いに対しては十分に検討されていません。本研究は、様々な再生可能エネルギー技術の最適な利用方法を明らかにします。

様々な再生可能エネルギーの利用可能性

再生可能エネルギーとして太陽光発電や風力発電などの電力に関心が集まっていますが、太陽の日射や木質バイオマスの燃焼から得られる熱を直接、給湯や冷暖房に使うことも出来ます。また、海に囲まれた日本では、波の力や海水の熱から電力を作り出すことも期待できます。将来の低炭素社会に向けて、様々な再生可能エネルギーを上手く組み合わせて賢く使うことが重要です。

2050年までの導入シナリオを描く

再生可能エネルギーの利用は、温室効果ガスの削減だけではなく、地域経済の活性化やエネルギーの海外依存度の低下などのベネフィットをもたらします。どの再生可能エネルギー技術を、いつ、どこに導入するかによって、もたらされるベネフィットに違いが生まれます。例えば、安価なエネルギー供給を重視するのか、地域経済への貢献を重視するのかなど、社会全体として何を重視するかによって再生可能エネルギーの効果的な導入方法は異なります。本研究では、様々な再生可能エルギー技術が持つ特性と、それらが導入される地域の自然・社会特性を考慮し、異なる将来社会像に応じて、再生可能エネルギー技術の大幅導入に向けた潜在的なシナリオを描きます。

再生可能エネルギーの効率的な導入に向けて

導出されたシナリオの分析を通して、将来に向けた再生可能エネルギーの効果的な導入ならびに戦略的なエネルギーインフラ整備のあり方を明らかにします。


本研究は、(独)環境再生保全機構 環境研究総合推進費(2-1804)により実施されています。