UDCSEA横浜海洋環境未来都市研究グループ

松田裕之教授 環境情報研究院

活動エリアの状況と課題

「横浜」と名の付く通り、海に抱かれた(海を抱いた)まちである横浜市臨海部および臨海市街地を舞台に、「うみ」「みなと」と「まち」の関係性を公×⺠×学連携、および市⺠参画を通して再構築することを⽬指し、21世紀の「ヨコハマ海洋環境みらい都市」のありようを考察し、提⾔することを⽬的としている。

設⽴経緯

将来的には低未利⽤化の可能性もある都⼼臨海部(港湾部等)に対して、2008年頃から検討・⽴案されてきた、通称「インナーハーバー構想」(海都横浜構想2059、都⼼臨海部再編整備マスタープラン等)を始めとした将来像の検討や、環境・エネルギー⾯からの検討(横浜市環境未来都市計画、ブルーカーボン事業他)、ヨコハマ海洋市⺠⼤学(2014年度〜)による市⺠参画なども進められつつある中で、21世紀の国際海洋環境都市としてのありようを考察し、新たな視点から政策提⾔を⾏っていくことを視野に⼊れて、信時正⼈(前横浜市温暖化対策統括本部理事)、松⽥裕之(横浜国⽴⼤学教授)を代表として発⾜した。なお、2008年度に発⾜したUDCY (http://udcinitiative.com/udc/udcy/)(アーバンデザインセンター横浜)でのネットワークやノウハウも活かしながら、発⾜に⾄っている。

センターの活動概要

横浜の魅⼒ある都市づくりを専⾨的個⼈の⽴場で考える有志の集まりによる「ネットワー ク型研究」を⽬指して、地球温暖化や⽣態学的アプローチ、まちづくり・都市デザイン的アプローチ、エネルギー的アプローチによる3つの分科会(⽉に⼀度程度の研究会+公開研究会等)により研究・実践推進を⾏いつつ、ヨコハマ海洋市⺠⼤学(年20回程度)を通して、分野の枠を超えた議論を展開しながら、市⺠意識や地域貢献、市⺠参画の実現を⽬指す。

分科会1:きれいな海、豊かな海、海を楽しもう(主査:松⽥ 裕之)

地球温暖化対策を海からの視点でとらえ、世界最先端の海洋環境みらい都市を考える。平成28年度は、「横浜ブルーカーボン」・「藻場再⽣」・「レクリエーション」などをテーマに、活動を推進している。(第⼀分科会HP

分科会2:環境海洋みらい都市のま
ちづくり(主査:城所 哲夫・野原 卓)

開港以来、常に「うみ」「みなと」を背景に発展したはずが、両者との絆を失ってしまっている「まち」に対して、改めて、うみ・みなとの視点で再構築することを考える。「ハマの空気(イメージや資源・観光)」「ハマ(⽔際)の空間活⽤」「ハマの産業」をテーマにして、海都横浜の将来像を検討する。

分科会3:海のエネルギーとまちづくり(主査:吉⽥ 聡)

海をエネルギー源(海⾵・海⽔温度紗・波⼒・潮汐⼒・メタンハイドレードなど)、あるいはエネルギーを考える種としてとらえ、産官学⺠連携を基に、これらをまちづくりの中でどのように活かしてゆくかを考える。平成28年度は、⼭下ふ頭の再⽣可能エネルギー利⽤をケーススタディとして考える。

ヨコハマ海洋市⺠⼤学(主査:川名 優孝)

海洋都市づくりリーダー(「海族うみぞく」)の育成、国際海洋環境都市づくりのプラットフォーム形成、市⺠協働のインターフェイス育成を⽬標として、ヨコハマ海洋市⺠⼤学実⾏委員会を中⼼に実施。年間で半期10回×2程度のワークショップをはじめ、⾃主的なフィールドワークや研究、活動を展開している。

今後の活動の展望・課題

進め⽅、体制、活動の仕組みなどについては、試⾏錯誤を重ねながら進めている点、⺟体となる組織(⾃治体・企業等)との関係性のあり⽅、活動拠点の構築などが今後の課題である。

  1. 各分科会活動の充実化
  2. ヨコハマ海洋市⺠⼤学の継続発展
  3. 研究情報・地域情報・活動実践成果の蓄積
  4. 幅広い参加者の獲得・連携ネットワークの構築

構成団体

「公」︓横浜市ほか
「⺠」︓各種企業・会社、専⾨家・技術者、市⺠ほか
「学」︓横浜国⽴⼤学、東京海洋⼤学ほか

各⾃個⼈の⽴場で参加しているが、構成メンバーの所属は上記の通りである。
研究員(メンバー)は、3つの分科会(下記参照)およびヨコハマ海洋市⺠⼤学の活動を中⼼に活動し、全体統括を事務局・理事を中⼼に⾏う形で運営されている。

組織形態

ベースは任意団体
代表: 信時 正⼈(神戸大学研究員) / 松⽥ 裕之(横浜国⽴⼤学教授)
分科会1主査: 松⽥ 裕之(横浜国⽴⼤学教授)
分科会2主査: 城所 哲夫(東京⼤学教授) / 野原 卓(横浜国⽴⼤学准教授)
分科会3主査: 吉⽥ 聡(横浜国⽴⼤学准教授)
ヨコハマ海洋市⺠⼤学主査: 川名 優孝(東京海洋⼤学准教授)

実務体制

理事・主査:6名
事務局:6名(理事・主査除く)
研究員:28名(理事・主査含む)
(2016年3⽉時点)

施設概要

常設施設はない。時期・状況に応じて、各種施設を利⽤。(BankArt1929ほかで活動)