膜濾過システムの高性能化 〜フィルターと界面と構造の設計〜

中村一穂准教授 工学研究院

膜濾過法は、世界的な課題となっている水問題の解決の切り札として大きく期待されているが、ファウリング(使用中の性能低下)などの技術課題も多く、普及のためには膜濾過システムの高性能化が不可欠となっている。フィルター内部で生じている複雑な現象を、固液界面の電気二重層に着目した新たな切り口で理解し、その知見を基にプロセス計測制御のための細孔径モニタリング法の開発、新しい発想の圧力損失を直接低減する固液界面の創生へ展開している。また、フィルターの内部構造設計では3Dフィルターモデルにより設計パラメーターと空間構造の関係を明らかにし、従来にない高性能フィルターの開発に応用している。

処理プロセス
染料工場の廃水
処理水
細孔内の電気二重層と濾過の諸現象
3Dフィルターモデル